給料から天引きされるサラリーマンのお金
会社員時代、給与明細をみて支給金額と差引支給金額の差があまりに大きくて衝撃を受けたことがあります。(ほぼ毎月、明細を見るたびに何だか腑に落ちない気分でした)
ボーナスシーズンには上司から「今回のボーナスは3か月分だぞ~」なんて言われてウキウキしながら明細を見たら実際の手取り支給額はほぼ2か月分の金額😢
おおざっぱに計算して1/3は税金で天引きされていました。
どうしてそんな事になるかというと、サラリーマンは毎月の給与から所得税、社会保険料、住民税が天引きされるからです。(賞与については所得税と社会保険料のみ引かれます)
税金なのでどうしようもないのですが、税金の仕組みや計算方法を知っておくと少しは調整ができるかもしれません。
サラリーマンの給与から天引きされるもの
サラリーマンの給与から引かれるものには大まかに以下のものがあります。
- 旅行積立金
- 社会保険料
- 住民税
- 所得税
旅行積立金
会社の社員旅行などのために旅行資金として毎月天引きされている方も多いと思います。
社員旅行費用の全額を会社が負担する会社もありますが、多くの会社の場合、旅行代金の一部を会社が負担し、残りを社員の積立金から補充する会社が多いようです。
私の場合、毎月3,000円が旅行積立金として天引きされていました。
どうせお金を払って行くなら友達や家族と行きたいと愛社精神のない私は思ったものです。
では旅行積立金をしていたけど、社員旅行に行かなかった場合はどうなるかご存知でしょうか?
実は、社員から旅行積立金の返還要求があった場合、会社は天引きした旅行積立金を返還しなければなりません。
社員からお金を徴収し会社が管理するという点から旅行積立金は「社内預金(社員の貯金)」の一部と考えられます。銀行が、預金者が預金をおろす事を拒否できないように、会社も社員の貯金の返還要求に応じなければいけません。
社員の貯金ですから当の社員が返還を希望し返金をうけることは当然の権利であるということです。
これは労働基準法【強制貯金】の第18条5条に記されています。
ただし労使規約に「返還しない」という趣旨の事が書かれている場合は返還されません。
労使規約とは、社員側と会社で取り決めたものを書面にしたものなので、そこに「返還しない」と書いてある場合は社員が旅行積立金が返還されない事を了承したことになるからです。
また出席予定であったのに都合が悪くて欠席した場合も返還されません。(個人旅行などのキャンセル料みたいな扱いですね)
「返還されない」という記載がない場合は原則、返還しないといけないので返還されないと法律違反となります。
自分の会社の労使規約も一度、目を通してみると良いですね。
労働基準法 【強制貯金】第18条5条
使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理する場合において、労働者がその返還を請求したときは、遅滞なく、これを返還しなければならない。
社会保険料
社会保険料には健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料があります。
社会保険料の特徴として毎月の給与のほかに賞与からも社会保険料が引かれます。
計算方法は雇用保険料と、それ以外で変わります。
雇用保険
失業時に受け取る事ができる失業保険や出産や育児、介護などで休業する場合に受け取る事ができる休業保険など何かあった時のために被保険者を守ってくれる保険になります。
最近では一定の条件に当てはまるパートなどにも雇用保険に加入するよう義務づけられています。
雇用保険の加入条件はこちらの記事で説明しています。
雇用保険料の料率は給与の金額に関わらず事業の種類により一律と非常にシンプルな仕組みになっています。つまり同じ会社の社員であれば同じ料率ということです。
毎年料率が見直されます。
【計算式】
給与(賞与) × 雇用保険料率(業種別)
健康保険料、介護保険料、厚生年金
健康保険・介護保険・厚生年金は雇用保険料とは少し計算の仕方が変わるので注意が必要です。
【計算式】
標準報酬月額 × 保険料率(加入組合により異なる)
雇用保険料は単純に給与の額に保険料率を掛けた金額なので毎月の給与の額により変動しますが、健康保険・介護保険・厚生年金はこの「標準報酬月額」の額に保険料率を掛けた金額なので給与の増減にかかわらず毎月同じ金額が保険料として天引きされます。
(賞与は別途計算)
ここで気になるのは標準報酬月額の金額です。この金額が低ければ支払う保険料も低く抑えられ、この金額が高ければ支払う保険料も高くなります。それが1年間変わらないわけですからこの標準報酬月額は非常に重要になります。
標準報酬月額
給与の月額の幅を50個の等級に分けて、等級毎に区切りの良い金額を標準報酬月額として定めます。
下記の表を見てみると2等級の場合、報酬月額が63,000円~73,000円を対象に、標準報酬額は68,000円となります。
つまり等級の上限近くにいる方にとっては実際よりも少ない月額となりますが、下限近くにいる方にとっては実際よりも多い月額となってしまいます。
もう1つの注意点としては標準報酬額の等級を判断する報酬月額についてです。
12カ月の給与の平均額かと思っていましたが、4月、5月、6月の給与の平均額が報酬月額となります。
つまりたまたま4~6月の給与が多かっただけだとしても、その金額が基準になりますから4~6月の給与に応じた社会保険料(健康保険、介護保険、厚生年金)を1年間支払う事になります。
この4月、5月、6月の平均額で報酬月額を決めて、それが1年間適用されるというのが健康保険、介護保険、厚生年金の計算方法の特徴であり、注意が必要な点です。
住民税
お住まいの市区町村へ納める税金です。
前の年の収入に応じ、6月に納税額が決定され会社員の場合は会社が給与から天引きし各自治体へ納めてくれます。
住民税は前の年の住民税を今年支払うという後払い形式になるので新卒の社員の1年目にはひかれません。
住民税は年税額を12等分したものを毎月の給与から天引きされるので賞与からは引かれません。
住民税の計算方法は所得により税額が変動する所得割と所得に関わらず一律に徴収する均等割を合算した金額になります。
【計算式】
所得割
(総支給額 - 非課税の手当 - 控除額) × 税率(10%)
均等割
5,000円前後(都道府県・市区町村による)
死亡した場合の住民税
住民税が前の年のものを今年に後払いするという仕組みなら死亡したらどうなるかという疑問が浮かびます。
実は死亡後も、住民税を支払う必要があります。
ただしその年の1月1日に生存していた場合に限ります。
ここでまた疑問。1月1日に死亡した場合はどうなるか?
それは死亡時刻で納税義務を課す事は妥当ではないという事で1月1日に死亡した場合は住民税の納税義務はありません。
ですので1月1日に死亡した場合は死亡後、住民税を支払わなくても良いですが、翌日の1月2日に死亡した場合は、死亡後も住民税を支払う必要があります。
所得税
所得に応じて納める税金で、毎月の給与(賞与)から天引きされます。
金額は大雑把な計算で徴収されるので大抵は年末調整で還付されます。
【計算式】
(総支給額 - 非課税の手当 - 控除額) × 税率
税率は年間所得により区分けされ高所得になるほど税率が上がります。
所得税も等級の上限近くにいる方にとっては実際よりも少ない月額となりますが、下限近くにいる方にとっては実際よりも多い月額となってしまいます。
まとめ
実際には仕事の繁忙期などで残業時間などの調整は難しいかと思います。
でも自分の給与から引かれている税金や保険料の仕組みを知っていて損はありませんので、頭の片隅にでも入れておいてもらえると嬉しいです。
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